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肝臓内 NKT 細胞と T 細胞の維持および胎児肝臓内 B 細胞分化における肝細胞に由来する IL-7 の役割

谷一靖江 助教、榛葉旭恒 大学院生、我妻慶祐 大学院生、原崇裕 助教、生田宏一 教授 等

(生体応答学研究部門 生体防御研究分野)

"The interkeukin-7 receptor controls development and maturation of late stages of thymocyte subpopulations."
Tani-ichi S, Shinba A, Wagatsuma K, Miyachi H, Kitano S, Imai K, Hara T, and Ikuta K.

Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 110:612-617, 2013


【概要】
 インターロイキン-7(IL-7)はT リンパ球の分化と維持に必須なサイトカインである。 しかしながら、胸腺 T 細胞の分化の後期における IL-7 レセプターα鎖(IL-7Rα)の機能については十分にはわかっていない。 そこで、我々は IL-7Rα-floxed マウスを作製し、CD4-Cre マウスと交配した。 得られた条件的 IL-7R ノックアウトマウスでは、CD8 T 細胞、制御性 T 細胞、NKT 細胞が減少していた。 また、成熟した CD4 T 細胞と CD8 T 細胞の割合と増殖が低下していた。 さらに、制御性 T 細胞と NKT 細胞の増殖が低下し、NKT 細胞の成熟が阻害されていた。 また、条件的 IL-7R ノックアウトマウスでは CD4 T 細胞と CD8 T 細胞において Bcl-2 の発現が低下しており、Bcl-2 トランスジーンを導入すると CD8 T 細胞が回復した。 さらに、胸腺における B 細胞の数が大きく増加しており、γδT 細胞と樹状細胞も増加していた。 以上の結果から、IL-7Rαが種々の胸腺 T 細胞亜集団の後期の分化と成熟をそれぞれ異なって制御していることが明らかとなった。 さらに、αβ T 細胞が IL-7R を発現することで胸腺の他の細胞系列の分化が抑制されることが示唆された。


図:胸腺T細胞の分化の後期におけるIL-7レセプターα鎖の機能のまとめ。IL-7 レセプターは赤色の過程において重要な働きをしている。